近年は様々なことが原因で熱中症になる人が増えています。総務省消防庁の資料によると、2016年の5月から9月までに熱中症で救急搬送された人は約56,000人います。
救急搬送された方だけでもこの数です。救急搬送されてない人や熱中症になりかけた人も含めれば相当な数になり、未然に防ぐ事が大切になってきました。
そんな熱中症の予防として有効なのが水分補給ですが、適当に水を飲めば良いわけではありません。
今回は熱中症予防の中でも水分補給というテーマに絞って、水分補給のタイミング、水分の量、どんな飲み物が適しているのかについて解説していきます。
水分補給のタイミング
水分はこまめに、喉の渇きを感じる前に摂取するのが理想です。特に下記のタイミングでは忘れずに水分を取りましょう。
- 起床前、睡眠前
- 入浴前後
- 運動中と運動後
人間は睡眠中も汗をかき、平均200~300mlを、熱帯夜など汗をかきやすい環境であれば500ml以上の水分を失います。ただし、睡眠中は内臓の機能も低下するので、寝る前の30分~1時間前に水分を摂るようにしましょう。
お風呂に入れば汗をかくということは言うまでもないですが、1回の入浴で約800mlもの水分が失われているということは知っていましたか?(41℃で15分入浴後30分の安静時) 半身浴などで長風呂をしたりする場合は注意して下さい。
運動中は20~30分に1~2口の水分を補給しましょう。 運動後はスポーツドリンクではなく水がおすすめです。これは糖分摂取すると満腹中枢が働き食欲が抑えられてしまうのを防ぐためです。疲労回復や夏バテ予防などに必要な栄養はスポーツドリンクでは補えませんよね。
どれくらい水分を取れば良いのか
人間は1日に約2.5Lの水分を失います。ちなみに、食事によって約1Lの水分を摂取しているので、1日に1.5Lの水分を飲み物から摂取するのが一つの目安になります。
しかし、だからといって一度に1.5L飲めば良い、というわけではありません。 このページでも何度も書いている通り、こまめに水分を摂ることが大切で、1回あたりコップ1杯分(200ml前後)の水分を補給するのが望ましいです。
何を飲めば良いのか
日常生活であれば、常温か5~15℃に冷やした水か麦茶がおすすめです。麦茶には体を冷やす効果があり、暑い夏には最適な飲み物です。
冷たい飲み物は体温を下げてくれますが、冷たすぎると逆効果になる可能性もあるので注意しましょう。
日本人は塩分過多の傾向にあるので、あまり気にする必要はないと思いますが、薄味が好きなど塩分を控えている方は少し気をつけましょう。
スポーツドリンクについて
「水分補給に最適な飲み物は?」と聞かれたら、真っ先にスポーツドリンクが浮かぶ方もいるかもしれません。確かに、スポーツドリンクは効率よく水分補給ができるように作られているので最適に思えるかもしれません。
しかし、それは激しい運動をしたり、重労働などで大量の汗をかいた場合に限ります。 スポーツドリンク1本(500ml)には約31gの糖分が含まれているので、たとえ夏であっても常飲するには不向きだと言えます。
軽い運動であれば、水で2倍程度に薄めるのもおすすめです。
まとめ
常温か5~15℃に冷やした、水か麦茶を2~3時間毎に200ml飲むようにしましょう。激しい運動をするのであればスポーツドリンクを飲むなど臨機応変に。
のどが渇いていなかったり、汗をかいていなくても水分を補給することが熱中症の予防になります。
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